【徹底解説、水まわり編】障がい児と暮らすバリアフリー住宅


寝室と洗面所の距離で、こんなに毎日がラクになるなんて…!
これは実際にバリアフリー住宅を建て、重心児と暮らし始めてから私が強く実感したことです。
毎日の介助や医療的ケアのしやすさは、水まわりの“ちょっとした配置”や“幅”によって、大きく変わります。
私は現役の住宅営業として、これまで多くのご家族の住まいづくりに関わってきました。
そのなかで、自分自身も障がい児の親として家づくりを経験し、初めて気づけた視点がたくさんありました。
この記事では、子どものための家づくりで得た実体験と、住宅のプロの視点を交えて、
バリアフリー住宅で失敗しないための「水まわり」の設計ポイントをわかりやすくお伝えします。
この記事を読むと、次のようなお悩みに具体的にお答えできます。

重心児や医療的ケア児でも使いやすい水回りのコツは?

どれぐらいの広さで水まわりを作ったらいいか分からない
また、障がい児向けの生活動線や通路幅の工夫については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

洗面・脱衣室の設計ポイント
1-1 寝室からの動線とメリット・注意点

洗面所は、寝室のすぐ隣に配置するのが理想的です。
以下のようなメリットと注意点があります。
洗面室の出入り口は、寝室とホールの両方からアクセスできると便利です。
来客があった際にもプライバシーを守れますよ。
※参考:私の家の洗面室動線

我が家では、静音性の高いドラム式洗濯機を使っているので、寝室横でも気になりません!

1-2 必要な広さと収納の工夫
洗面と脱衣を兼ねるスペースは、最低でも3帖以上を目安に確保すると快適です。
それぐらいあれば、このような利点があります。
- 車椅子での方向転換がスムーズ
- ストレッチャーやケアマットを置ける
- 家族の着替えやケアがしやすい
さらに、隣接スペースに収納があると、ケア用品や着替えをひとまとめにできて便利です。
1-3 洗面・脱衣室でよくある質問(Q&A)
その他注意点を一問一答方式でお答えします。

洗面室と脱衣室は分けたほうがいい?

一緒にしたほうが動線が短くなり、使いやすいと思います!
また、汚れ物を洗面で洗い、すぐに洗濯機に入れることもできます。

ドアは引き戸がいい?

はい!開き戸よりも引き戸のほうが車椅子でもスムーズに通れます。
浴室の設計ポイント

2-1 広さは「1620サイズ以上」を推奨
新築では「1616」サイズ(1坪)が一般的ですが、
介助が必要な場合は「1620サイズ以上」の浴室をおすすめします。
- 洗い場が+40cm広がり介助の自由度が高い
- 入浴用の車椅子が旋回でき使いやすい
- 入浴用チェアを置いてもゆとりのある作業が可能
2-2 おすすめの浴室ドア

浴室のドアは3枚引き戸がオススメです!
有効開口が80cm取れるので、移動がラクに行えます。
逆におすすめしないのは開きドアです。
掃除がしやすいというメリットはありますが、浴室側に開く関係上、室内で倒れてしまった場合に身体がつっかえ、開けられなくなるリスクがあります。
トイレの設計ポイント
3-1 配置は「自立 or 非自立」に応じて変える
- トイレで排泄ができるお子様 : 寝室近くが理想。
- トイレで排泄が出来ないお子様: 利便性や収納を優先し、やや離れてもOK。
3-2 状況別トイレの広さの目安
利用シーン | 内法寸法の目安 | ポイント |
---|---|---|
自立歩行(杖程度) | 0.8m×1.6m以上 | 便器前方に60cm以上空けると立ち座りが楽 |
車いす単独利用 | 1.2m× 1.6m以上 | ドア開口80cm以上+便器横80cmで横付け移乗 |
介助者同伴 | 1.6m×1.6m以上 | 車椅子でも回転可能 どこからでも介助可能 |
将来的にトイレを拡張したい場合は、設計段階で柱の位置なども考慮するとリフォームしやすくなります。
我が家では将来のリフォームの可能性を考え、広げられる設計にしました!

まとめ
今回は、重心児や医療的ケア児と暮らすための「水まわり設計」に焦点を当てて解説しました。
特に洗面室や浴室は、毎日使う場所であり、介助のしやすさを左右する重要なエリアです。
家づくり中の方、またこれから検討される方は、この記事を参考にしていただければ幸いです。

私のブログでは、住宅だけでなく、障がい児の子育てに関する情報も発信しています。
ご興味のある記事があれば、ぜひご覧ください。
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